みんなが苦しんだ、共通テスト

大学受験

得点分布を見てみよう

駿台が、共通テストの得点分布をグラフで公開しています。

https://dn-sundai.benesse.ne.jp/dn/center/doukou/dl/2022-dn-gaikyo-05.pdf

一昨年、最後のセンター試験。(’20)
昨年、最初の共通テスト。(’21)
今年、二年目の共通テスト。(’22)
の3つのグラフを重ねて比べています。

まず文系5教科8科目(英語、数学1&2、国語、理科基礎×2、社会×2)。
最後のセンター試験(’20)と最初の共通テスト(’21)は、得点分布が見事に重なっています。
つまり、昨年は共通テストになって英語の問題形式が変わったりしましたが、一昨年のセンター試験と難易度はほぼ変わらなかったということです。

それが、今年の共通テスト(’22)では、学力上位層も得点できず、グラフの山そのものが左(低得点側)にシフトしてしまっています。
そして山のピークも少し高くなっています。
つまり、今年の共通テストは過去2年と比較して、大きく難化しており、学力上位層から中位層まで総じて点数を落としているということです。

理系5教科7科目(英語、数学1&2、国語、理科×2、社会)も同じような傾向です。
最後のセンター試験(’20)と最初の共通テスト(’21)は、600点台の分布が少しずれていて、一昨年のほうが山は低くなっていますが、学力上位層も下位層も得点分布はほぼ重なっています。
昨年の共通テストは、平均レベルの受験生が得点しやすかったということかどうか分かりませんが、そこを除けばほぼ難易度としては変わらなかったということです。
それが、今年の共通テスト(’22)では、学力上位層も得点できず、グラフの山そのものが左(低得点側)にシフトしてしまっています。
文系と同じ傾向を示しています。

今年の共通テストは、文系、理系とも難易度が上がり、すべての受験生が総じて得点しにくかった、つまり失点しやすかった問題だと言えます。

難易度ではなく問題の質

極端に問題が易しすぎると、高得点にみんなが集中してしまい、差が出にくいとともに、ちょっとしたミスで大きく順位をさげてしまうことになります。
極端に問題が難しすぎると、誰もが低得点になってしまい、差が出にくいとともに、たまたま正答できただけで大きく順位を上げてしまいます。
ですから、適正に得点が分布する、つまり真ん中ぐらいに学力中位層の山があり、高得点側も低得点側も分布の広がりを持っていることが重要です。
そういう意味では、今年の共通テストは、分布のピークが全体に低得点側にシフトしているものの、分布としては適正な広がりをもっているように見えます。
つまり、問題全体として難化したとはいえ、個々の差がしっかりとでるような問題だったのだと思います。
問題は、その差が、本来「目指す学力」の差を反映しているのかどうかです。
人それぞれ、得意不得意があります。
読むのはすごく速い人、遅い人。
深く考えることが得意な人、素早く処理することが得意な人。
などなど。
そうした得意不得意のうちで、どのような得意を持った受験生に高得点となるようにしたいのか。
そこが目指す学力というものです。
今年の共通テストが、大きく変化したことは確かです。それは学力上位層でも失点してしまうような、問題の難化という形で現れています。
しかし、目指す学力をもった受験生が、しっかりと得点できるような問題になっていたのか。
問題の質が、これから検証されていくのだと思います。

まさ受験真っただ中の受験生の皆さんは、すでに起きた結果は変えられません。
ただし、皆が点数を落とした共通テストです。
冷静に状況を分析して、己の志をしっかりと見つめてください。
幸運を祈る!

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