2021年度入試の大枠
ほぼほぼ2021年度入試の方向性が見えてきました。
多くの難関国立大学では、CEFRのA2レベルを「出願要件」として求めることになりそうです。
私立大学は、それぞれの色が強く出るようで、たとえば早稲田大学の政経学部は200点中30点は外部試験の結果によりますし、慶應義塾大学は外部試験の結果をまったく反映させません。またTEAPを推し進めてきた上智大学は、TEAPスコア利用型、学部学科試験・共通テスト併用型、共通テスト利用型の3方式を用意し、共通テスト利用においては英語外部検定試験の結果をCEFRレベルに応じたバンドスコアで得点換算して利用するとのことです。
https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/2018/press1211.html
現高1のお子さんが高3になった時に受検できる外部検定試験は2回しかありませんから、それまでに何を準備すべきかは悩ましいところです。
どの外部検定試験を?
一般的な高校生にとって、TOEFLは難易度が高いですし、TOEICはビジネス英語中心ですから、おそらく受験対象から外すケースが多くなると思われます。
そうすると、高校生が学ぶ英語に近い英検、GTEC、TEAPといったあたりを選ぶことになりそうです。
その中でも、まずは最もメジャーな英検ですかね。
高2の段階で何を準備すべきか
現高1のお子さんは、ご自身の今のレベルに応じて、どうするかを考える必要があります。
高3になったら、英語以外の受験科目の勉強でいっぱいになるので、外部検定試験については高2の段階である程度の目途をつけておくべきだと思います。
現在英検3級の場合
まずは多くの国立大学での出願要件であるCEFRのA2レベル、つまり英検準2級の合格を目指します。
最低限、A2レベルの力を高2で確保してから、高3での2回に臨めれば良いでしょう。
現在英検準2級の場合
多くの国立大学での出願要件であるCEFRのA2レベルはあるので、英語学習のマイルストーンとして英検2級を目指しておくと、英語学習の一助にもなると思います。
私立大学によっては、検定試験の結果をCEFRレベルに応じたバンドスコアで得点換算するので、無理のない範囲で上位レベルの力をつけておく方がベターでしょう。
現在英検2級の場合
すでに一定レベルの英語力はお持ちなので、高2の段階で英検準1級を目指すかは、判断が難しいところかもしれません。
国立大学を目指すのであれば、数学の力をつけるほうが優先順位は高いでしょうし、個別試験対策として英語の長文読解力をつけていくことも必要です。
そうした学習のかたわらで、対策に時間をかけないで英検準1級にチャレンジするのであれば、有効かもしれません。
現在英検準1級の場合
高1を終えた段階で英検準1級レベルであれば、英語力としてはかなりの力があると思います。
ただし個別試験の英語は、外部検定試験や共通テストの試行問題とは違ったレベルの力を求められるので、英語の個別試験対策はそれはそれで進める必要があると思います。
いっぽうで英検1級は、一般の高校生から見るとレベル感が違うので、受検すべきかどうかはかなり疑問です。
かといって、英検準1級に合格してしまっているので、お金を出してまで再び英検準1級を受けるというのも気が進みません。
ということで、英語力が高いがゆえに、逆に悩ましいのも事実です。
そういう高2生であれば、TEAPを受検してみるのも手かもしれません。
TEAPであれば、スコアが2年間有効なので、私立大学でTEAPを採用しているところには、そのまま受験時に利用できます。
(国立大学など、大学入試センターを介した外部試験利用は、あくまで高3時の2回なので、この考え方は使えません。)
共通テストの試行問題を見ていると、TEAPのリーディング問題と似ているところもあるので、良い練習になるかもしれません。
すでに英検準1級をお持ちのお子さんにとっては、高2でのTEAP受検は、一つの選択肢になりそうです。