サンプル問題
8月3日、早稲田大学政経学部の2021年度独自試験のサンプル問題が発表されました。
https://www.waseda.jp/fpse/pse/news/2018/08/03/9136/
日本語の長文と英語の長文の大問2題の形式となっています。
マーク式の小問が8問(1問はマークと記述の両方を含む)と、記述式4問です。
記述式は
・30字以内の記述式解答が1問
・50字以内の記述式解答が1問
・問題を読んでグラフを記述させる問題が1問
・300字以内の記述式解答が1問
となっています。
問題形式から見えてきたこと
以前のブログで、短文記述は現行の問題形式と同じような、「フレームを与えて記述させる」問題になるのではないかと予想していました。
しかし予想は外れて、
「文中の⑤ に入る文として適切なものを、記述解答用紙に30 字以内で記せ。」
といったように、空欄補充ではあるものの、フレームを与えない記述式問題となっています。
次に、入試改革っぽい記述式問題としては、英文を読んだ上でグラフを書かせる問題が出てきたことです。
英文の読解だけでなく、数的処理の適性を見ようとしている、いかにも政治経済学部の問題ということかと思います。
そして最後に300字の意見論述問題です。
AかBか、理由とともに述べよという問題で、現状の英作文問題で問うているような内容を、英文を読んでというところは同じものの、日本語で記述させる問題となっています。
グローバル入試の500字には及ばないものの、300字の記述というのは、解答する受験生にも、採点する大学側にも、結構な負担になる問題と思われます。
採点負荷は高いものの
2021年度からは共通テストと英語民間試験を利用し、大学側が採点するのはこの独自試験だけになります。
ここだけに集中して、採点者のパワーをかけられるのは確かです。
しかし早稲田大学の政経学部は、数千人が受験する入試です。
記述解答の採点基準を明確にしつつ、もし想定外の解答が出てきた場合には、採点中でも基準を見直すなどの作業が必要となります。300字の記述となれば、その採点はさらに大変な作業となります。
どれぐらいの得点分布になるのか、採点にどれくらいの負荷がかかるのか、これから大学内で試行調査をするのかもしれません。
その結果いかんでは、問題形式が少し変わってくるかも知れませんが、このサンプル問題から、大学が求める受験生というのが、見えてきた気がします。
せっかくなので、サンプル問題の出典となっている『政治を科学することは可能か』を、この夏に読んでみようかと思います。