入試に挑むのは本人
阿部寛さんが主演のドラマ「ドラゴン桜2」が放映され、生徒と教師という視点での東大入試が描かれていました。
それはそれで、ドラマとしては面白いのですが、リアル感にはちょっと欠けるかな。
ただし共感できる部分もあり、それは大学入試で一番大切なのは本人の意識だということ。
そこは確かだと思います。
では親になにができるのでしょうか?
私は、あくまでサポーターとしての役割しかないと考えていました。
そのサポーターとしての親になにができるか?
大きくは3つだと考えています。
①所詮、やる気が出始めるのは高2から
中高一貫校に入れば、6年をかけて大学受験の準備ができると考えがちです。
たしかに、非常に意識の高い子や、そもそも鉄緑に通って東大の理3を狙うような子は別として、まあ勉強はほどほどにしかやらないと思います。
先輩の親御さんからも言われましたが、大学受験に対して、本人の意識が芽生えるのは高2からです。
それは、まわりの友達も受験に向けた動きをし始めるからというのもあるでしょう。
一つ上の先輩の姿を見ながら、一年後の自分の姿を重ね合わせるからかもしれません。
しかしそれまでは、子どもになにを言おうが、聞くふりこそすれ、やりはしません。
お互いにいらいらして、親子の関係が悪くなるだけです。
であれば、高1までは最低限必要なことだけに絞って、身につけておくことを仕向けます。
巷で、よく言われるように、英語と数学です。
ただし、群を抜いてできるようにするとか、とてつもなく速く終わらせるとかではないです。
しっかりと基礎を身につける。
中1から高1までの過ごし方で、親が仕向けられることは、ただそれだけです。
でも、それが意外と難しいのです。
そのことはまたいずれ。
②目標ステップ&親の覚悟
ゴールまでの道のりをイメージすることは、子どもにとっては難しいものです。
キャッチボール程度しかやっていない子どもに、高校野球で甲子園出場しようと目標を持たせるようなものです。
どうやって?と考え込んでしまうのです。
学校の先生に力になってもらえればよいですが、子どもは一人ひとり、得意・不得意もあれば、性格の違いもあります。
そこは親がカスタマイズして、サポートするしかないと腹をくくりました。
大学受験の場合は、最後は浪人覚悟で国立向けの勉強に集中するか、私大の合格を勝ち取るために一定時間を割くのか、そうした難しい判断も必要になります。
あくまで本人が決めることですが、本人が決めたら、親はそれを信じてサポートし続けるという、ある意味で苦しい判断を必要とします。
親ができること。
それは、目標を段階的に設定して、子ども本人に意識化させること。
そして、子どもが決めたことは、覚悟を持って親としてのサポートに徹するということでした。
③課題を共有
受験勉強を進めていると、まあいろんなことが起きます。
模試を受けても、思ったように成績が伸びない。
高3になって、浪人生とも競うようになると、その差を目の当たりにする。
入試が近付いているのに、ケアレスミスが目立つようになっている。
推薦で大学合格を決めた友人を横目に、ひたすら苦行の日々を送らねばならない。
こういう時は、人生の先輩として、親も少しは役に立てるようです。
成績が伸びないのはスランプではなくて、爆伸びのための力を貯めている時期だからというケースが多いです。勉強の方向性さえ間違えていなければ、確実に力はついているはずです。そこは、ロジカルに元気付けてあげましょう。
高3になって最初の模試は、とにかく浪人生の力に圧倒されます。それはそうです。残念ながら合格ボーダーラインで不合格になった浪人生というのは、ものすごくたくさんいるわけです。彼らとは、丸一年の差がついていると思っていいのです。でも不思議なことに、浪人してからの伸びというのは、必ずしも現役の時の伸びに匹敵するわけではありません。そして浪人生は浪人生で、そこから先、現役生以上のプレッシャーと戦いながら受験まで日々を過ごしていくのです。ですから、スタート時点での差はあるようでないのです。もし現役生であれば、勇気付けてあげましょう。
そうやってモチベーションを落とさないようにするいっぽうで、課題になっていることはしっかりと克服していくことが必要です。
模試を受けて、数学のある分野の得点力が低いのであれば、早めに対策を打つとか。
英語と数学に力を割いてきて、置いてきぼりになっていた古文と漢文で得点できていなければ、一定時間はそれらに力を割くようにするとか。
ここで大事なことは、親が質問によって本人に気付かせつつ、対策は本人に決めさせることです。
なにをやるかを決めるのは、あくまで本人です。
そこがとても大切だと思います。