最近の記事から
東洋経済オンラインに、
『早稲田政経学部が数学必修化に踏み切る真意 数学だけではない入試改革の真の狙いとは?』
という記事が掲載されています。
https://toyokeizai.net/articles/-/230361
過去問から見る記述問題
2021年度の入試では、政治学や経済学に関する日英両言語での長文読解の記述式試験が課されるということです。
はたして、どのような記述問題が出されるのでしょうか。
政治経済学部の過去の入試問題から、カンガエてみます。
2017年の一般入試・国語での長文問題の一つは、萱野 稔人氏の『権力の読みかた―状況と理論』から出典されています。
その中で記述式問題は
問十四 傍線部5の「穏和」に筆者がカギカッコをつけた理由を述べる文を、記述解答用紙の空欄を補う形で完成させよ。
となっており、あらかじめ記述文に対して
「国家の国民化のプロセスで起こることは、一見すると~、その実態は~と考えているから。」
というフレームを与えて、空欄を埋める形にしています。
50字の記述式問題ですが、文章のフレームが与えられているので、本当の意味での記述力(論理力)が測れているかというと、やや疑問ではあります。
がしかし、記述式問題であることは確かです。
2017年の一般入試・英語での英作文問題では、
“Gay marriage should be made legal in Japan.”
という論点に対して、賛成・反対の立場を明確にして理由を2つ英語で書かせる問題となっています。
英作文ですので、長い文章を記述するのは難しいですが、英語での記述力を見る問題であることは確かです。
これを論点となる一文を読ませるのではなく、英語の長文を読ませてから、日本語で記述解答させる問題と英語で記述解答させる問題を混ぜて出題すれば、立派な記述式問題になるかと思います。
そして2017年のグローバル入試では、八代 尚宏氏の『シルバー民主主義 – 高齢者優遇をどう克服するか』から出典し、150字の記述問題と500字の小論文問題が出されています。これが本来の記述式問題だと思います。
あくまでも推察として
6000人以上が受験する一般入試と比較して、はるかに少ない300人程度しか受験しないグローバル入試だからこそ、このような記述式問題は実施できているわけです。
2021年度の一般入試でも数千人が受験することが予想されるので、2017年の一般入試・国語でのスタイルを踏襲した記述式問題を、小問として複数出してくるというのが現実解ではないかなと想像します。
さすがに小論文形式は、難しいと思います。
どのような問題になるのか、今後少しずつ明らかになっていくのでしょうから、しっかりとウォッチしていく必要があるでしょう。