TOEICの結果を見る前に、そもそもTOEICスコアのレベル感はどんなものなのか見ておきます。
「自分で受ける」と「受けさせられる」の違い
TOEICには公開テストと団体受験特別制度(IPテスト)の2種類があるのですが、それぞれ受験者の結果の傾向が異なります。
2016年に実施されたTOEICの平均点でみると
公開テスト 合計579点(リスニング317点、リーディング262点)
IPテスト 合計466点(リスニング263点、リーディング203点)
となっています。
IPテストは学校や企業で全員に受けさせるケースが多い一方、公開テストは個人が自分の意志で受けるケースが多いと考えられます。
したがって、公開テストの受験者の母集団は、英語に対して意欲的で、苦手意識の低い人たちで多くが構成されていると思われます。
いっぽうのIPテストは、企業などである年次の対象者が強制的に受けさせられるケースが多いため、英語が得意な人だけでなく、苦手な人たち、できれば避けたいと考えている人たちも含まれた構成になっているのでしょう。
そのためIPテストのほうが、平均点は低くなっています。
大学生の平均点で見るレベル感
中学高校の英語をマスタすると、どれくらいのレベル感に相当するのかを考えるため、大学生の平均点を見てみます。
2016年の公開テスト
大学生トータルの平均は561点(リスニング307点、リーディング255点) 31万人
2016年のIPテスト
大学1年生・・・合計430点(リスニング241点、リーディング190点)
大学2年生・・・合計435点(リスニング249点、リーディング186点)
大学3年生・・・合計484点(リスニング275点、リーディング209点)
大学4年生・・・合計513点(リスニング290点、リーディング223点)
大学生トータルの平均は444点(リスニング251点、リーディング193点) 43万人
公開テストとIPテストの母集団の違いを考えると、公開テストのほうは中学高校の英語をしっかりとマスタし、比較的英語を得意として大学に入学してきた母集団と見てよいかと思います。
いっぽうのIPテストのほうは、中学高校の英語に不安を残したまま大学に入学してきた人たちも含む母集団と見てよいでしょう。
そう考えると、中学高校の英語をしっかりと勉強すれば、大学生の公開テスト平均点560点ぐらいには到達できるはずです。
つまり全年齢を合わせた公開テストの平均点である580点というのは、中学高校の英語をしっかりとマスタしたレベルと考えられます。
TOEICスコアのマイルストーン
TOEICのスコア分布を、公開テストを例にしてみましょう。
まずは高校英語をしっかりとマスタしているというレベルで考えると、先ほどの平均点580点が一つのマイルストーンになります。
次に68.6%の企業が国際部門の業務遂行にはTOEIC700点以上を期待しているというデータがあります。この700点というのが、次のマイルストーンになりそうです。
企業が求めるTOEICスコアで、富士通(海外出張)と三菱商事(社内留学)が基準として860点を示しているあたりが、日系企業の最上位にあたりそうです。ということで、700点の次のマイルストーンは850点あたりでしょうか。
これらをマイルストーンに、自分のスコア目標を設定してみると良さそうです。