2021年度からの入試
5月30日に早稲田大学が2021年度の入試について発表しました。
https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2015/06/2021ad_change.pdf
高大接続改革で議論されてきた内容を踏まえ、単なる「知識」だけではなく、「思考力・判断力および表現力」を必要とする問題にシフトしていくことが明記されています。
また、Web 出願時に「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験を記入させるそうですが、得点化はせず、出願要件にとどめるようです。
まだ詳細は明らかになっていませんが、国公立大学と同じように、私立大学でも高大接続の方向性に合わせることを、私立の難関トップが先陣を切って示したとも言えます。
政経学部での変更ポイント
政経学部が、入試概要の変更を明らかにしていますので、まずはそちらを見てみます。
https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2015/06/2021ad_change_pse.pdf
従来の一般入試は、次の科目と配点で実施されています。
(1) 外国語(90分/90点)
次のうちから1つを選択 ①英語(コミュニケーション英語Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅱ、コミュニケーション英語Ⅲ、英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ) ②ドイツ語 ③フランス語
(2) 国語(90分/70点)
国語総合、現代文B、古典B
(3)地歴または数学(60分/70点)
次のうちから1つを選択 ①世界史B ②日本史B ③数学〈数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B(「確率分布と統計的な推測」を除く)〉
これが2021年度からは、次のように変更となります。
(1) 大学入学共通テスト(100 点)
以下4 科目を25点ずつに換算する。
① 外国語(以下いずれか1 つを選択)
英語(リスニングを含む)、独語、仏語
② 国語
③ 数学Ⅰ・数学A
④ 選択科目(以下いずれか1 つを選択)
・地理歴史 「世界史B」「日本史B」「地理B」から1 科目
・公民 「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」から1 科目
・数学 「数学Ⅱ・数学B」
・理科 「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から2 科目
あるいは「物理」「化学」「生物」「地学」から1 科目
(2) 英語外部検定試験(30 点程度)
使用できる英語外部検定試験は、大学入学共通テストで活用される試験を前提として検討中
(3)学部独自試験(70 点程度)
学部独自試験は1科目のみを90分間で実施します。なお、日英両言語による長文を読み解いたうえで解答する形式とし、記述解答を含む。
早い話が、学科試験の部分を、大学入学共通テストに置き換えるということです。
従来は、英語・国語の必須2科目とと地歴または数学の選択1科目の3科目受験でしたが、2021年度からは英語・国語・数学ⅠAが必須3科目となり、地歴公民・数ⅡB・理科の選択1科目の4科目受験となります。
現在、東大の英語でも話題になっている英語外部試験については、30点程度で組み入れることを明言しています。
独自試験が1科目となっており、この「科目」が何を意味するのかは興味深いところです。
高大接続改革では、各大学の個別試験では「主体性・多様性・協働性」を見るとなっています。
それを見るにふさわしい独自試験なのか?
あるいは、学科横断の総合的な試験ということなのか?
その場合は、「主体性・多様性・協働性」については、Web出願時の記入事項だけで、お茶を濁すということなのか?
このあたりを、どのように実現していくのか興味があります。
いずれにせよ、使用できる英語外部検定試験や、学部独自試験のサンプル問題等は、2018 年度中に公表する予定とのことです。
受験生の親としては、しっかりとフォローしていく必要がありそうです。
他大の追随
マークシート中心で一部のみ記述という大学入学共通テストの形式を見ると、早稲田大学の英語の問題なんかともダブって見えてきてしまいます。
こうして見ると、マークシート中心の独自入試を行っていた私立大学から見ると、大学入学共通テストを利用できることで、作問などの負担から解放されて、だいぶラクになるんですかね。
早稲田大学が先陣を切って公表したことで、今後は他の私立大学が2021年度入試について発表し始めることと思います。
そちらにも、しっかりと目を配りながら、頃合いを見てお子さんに伝えていくことも必要かもしれません。