今の自分のレベルは?
現状の可視化ができないと、対策の打ちようがない。
ということで、まずは現在の自分のレベルを可視化することからスタートです。
自分のレベルを測定するのであれば、まずはテストを受けるのが手っ取り早い。
日本では、英検かTOEICということになります。
しかし英検は、たしかにスコアは出るものの、結果としては準1級なのか1級かという段階での結果判定になってしまうため、自分の英語力の改善状況を可視化するには、あまり向いていない。
TOEICであれば、○○○点というスコアでの結果判定なので、スコアを徐々に上げていくことで状況が見えやすいとともに、モチベーションも維持しやすい。
ということで、ウン十年ぶりにTOEICを受験することに決めました。
人生において、TOEICを受けたのは一度きり。
新卒入社の研修時に、英語のレベルチェックで受けさせられただけです。
リスニングとリーディングのテストであったことは覚えていますが、それ以外の記憶はほとんどありません。
受験方法の2種類
TOEICには公開テストと団体受験特別制度(IPテスト)の2種類があります。
公開テストは、基本的には個人で申し込み、TOEICの主催協会が指定した日時・会場で受験するものです。Official Score Certificate(公式認定証)が発行され、資格試験での英語科目の免除などにも利用できます。
IPテストは、企業や学校などの団体が申し込み、日時や会場なども独自に決めて実施するものです。スコアレポートが発行され、学校の単位認定や企業の研修、昇格・昇進の判定などの目的で利用されます。
私がウン十年前に新卒入社研修で受験したのは、このIPテストのほうです。
何人が受験しているのだろう
公開テスト・IPテストにおける年間受験者数の推移を見てみます。
出典)www.iibc-global.orgの公開資料より作成
1980年には年間数千人しかいなかった受験者も、1990年には33万人へと増加しています。
そのころは、企業の研修や英語のレベル確認で利用されるケースが多く、IPテストが中心となっていました。
その後、学生が就職活動の前にTOEICで良いスコアを取って有利に進めようという動きが活発化し、公開テストでの受験者が増加していきました。
そして2000年には年間100万人を超え、2011年には200万人を超えており、現在は250万人のレベルに達しています。
そしてTOEICの公開テストは年間10回開催されており、各回7万人から14万人が受験しています。
私が一度だけ受験してからウン十年の間に、TOEICの受験規模が桁違いに拡大していることに驚きです。
一回5000円の受験料と仮定すると、1990年には16億円強だった受験料収入が、25年後の2015年には125億円になっている計算です。
まさに時代の波に乗ったというしかありません。
シニア受験者の割合は?
2015年の試験では、「20歳未満」が7.6%、「20-29歳」が53.0%、「50-59歳」が5.4%だったそうです。
大学生や若い社会人が半数以上を占めているのは納得ですが、50代も5%を占めているというのは驚きです。
30代や40代であればまだしも、50代になれば昇進・昇格にTOEICが必要というケースは少なくなっているはずです。おそらく自己啓発を目的とした受験が多いのではないでしょうか。
勝手な想像ですが、私と同じような動機で受験する同志がこんなにもいることに驚きです。
なんで今さら?
ということで、受験を決めたTOEICですが、公開テストは日曜日のため、家族に予定を伝えることにしました。
そこで一言。
「なんで今さら?」
予想通りの反応です。
社内でTOEICのスコアが必要になることが、これからあるわけないし。
転職のために、念のためスコアを用意しておく必要もなさそうだし。
休日をつぶしてまで、受けるメリットはあるの?
もっともな疑問です。
一年前の自分が、現在の自分を見たらまさにそう思うはずです。
「ウン十年、会社員人生を過ごしてきて、自分の英語力ってどれくらいなんだろうかと思って。ちょっとした興味本位だよ。」
そういって、なんとなく納得してもらいました。
会場の雰囲気
試験当日。会場に向かうバスの中は、ほとんどが大学生か若い社会人といった20代の若者ばかりで、同世代とおぼしき人は皆無でした。
そりゃ、そうです。50代の受験者は5%しかいないわけですから。30人がバスに乗っていたら、1.5人。1人もしくは2人なのですから。私の他にもう一人いる確率が50%ということ。
退職してから、大学に再入学して勉強を開始した先輩が言っていた、「まわりに20代しかいない環境って、ものすごく新鮮だよ」という言葉が、よく理解できました。
普段の会社生活では、ほとんど経験できない環境です。
新橋ガード下の飲み屋から、渋谷のおしゃれな飲み屋に迷い込んだようなものです。
そして会場へ。
数百人が収容できる大きな会場に、少し早めに到着しました。
まわりを見渡すと、同年代の受験者がちらほら。なんとなく安心します。
あらかじめ配布されているしおりと解答用紙の事前記入欄を見比べながら、受験番号や職種、役職レベルなどの属性などマークして、開始時間を待ちます。
そして開始。
45分のリスニングと75分のリーディング。
2時間の長丁場です。
集中力が維持できるのかが心配でしたが、案外と大丈夫でした。さすがに後半は疲れが出てきたのと、やはり途中で悩んで時間をムダに使ってしまったこともあり、最後の数問は手を付けられずに終了しました。
それでも2時間をやりきった爽快感とともに、帰路につきました。
結果はいかに。